最近、メガバンクが系列証券会社とタッグを組んで顧客紹介、顧客仲介を行い、リスク商品を販売する営業に力を入れていくという記事が朝日新聞朝刊に掲載され、某メガバンク系列の証券会社社長が連携強化を図っていく旨のインタビュー記事が掲載されていました。

当事務所が扱う金融商品取引紛争も、元々は銀行の顧客であった人が系列の証券会社を紹介され、いつのまにか系列の証券会社でリスク商品を購入して被害を受けたといったケースが相当数見られます。
特に、銀行と証券会社の人が一緒に来て勧誘されると、本人は銀行員に勧誘されたつもりであっても、あとで紛争になって調べてみると証券会社からの勧誘であったということがあります。さらに、一般の個人顧客からすると「銀行は安全、安心」といったイメージがあるので、実際には銀行員がリスク商品の販売に重要な役割を果たしていたにもかかわらず、銀行及び証券会社の内部記録では証券会社からの勧誘になっているというケースも見られます。また、某メガバンクの支店には系列証券会社のブースが設けられており、銀行を訪問したつもりが、実際に案内されたのが証券会社のブースでリスク商品を購入させられたといったケースもありました。

このように、最近は銀行と証券会社の区別は極めて形骸化しており、銀行員だと思って安心していたら証券会社の人だったいうケースが実例として発生しているので、「銀行だから安全、安心」といった思い込みにはご注意下さい。

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