最近、高齢者の中でも「老人性認知症」や「アルツハイマー型認知症」を患っていらっしゃる方の金融商品取引被害が増えてきています。「認知症」といっても軽度から重度まであり、軽度ですと日常生活は全く問題なく送ることができるので、家族の方も安心していたところ、名だたる金融機関から高額の金融商品を購入させられ、あとからそれに家族の方が気づいて相談に来られるというケースが多くあります。中には、精神科に既に治療で通院しているにも関わらず、商品先物取引を勧誘されて1億円を超える損害を被ったり、個人的に親しくなって会社とは別に個人で運用委託を行っているように装って数千万円単位の金員を詐取しているケースもあります。

金融機関側も、我が国の殆どの金融資産が高齢者の下に眠っていることはよく知っていますし、明らかに「認知症」であればさすがに勧誘を控えるでしょうが、「認知症」の疑い程度であれば、手数料欲しさに取引を勧誘することは一般にあり得ます。最近のように高齢者が1人暮らししているケースが増えてくると、遠方に住んでいる家族もまさか自分の親が認知症に罹患しているとは思っておらず、気づいた時点ではとんでもないことになっているケースがあります。

このような「認知症」を患っている方は、自分自身で被害を未然に防ぐことはできません。判断力や理解力も相当衰えてきますし、人を簡単に信じ込んでしまったり、視野が非常に狭くなって人の意見に耳を傾けなくなる(頑固になる)傾向があります。悪質なケースは警察に相談すべきですが、そこまで至っていない場合は専門の弁護士に是非早急にご相談下さい。

「認知症」は年々進行してきますので、まだ本人に多少の記憶が残っている時点でヒアリングや証拠収集を行う必要があります。また、相手方は被害に気づかれるとガードが固くなりますので、その前に自白させて証拠化する必要があります。ご本人は被害にあっている認識すら持っていないこともありますので、まずご家族の方が率先して動くべきです

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