最近、金やプラチナ等の商品先物取引業者が、まず顧客に現物の金やプラチナを買わせ、その現物を担保に金やプラチナ等の先物取引を勧誘してくるケースが非常に増えています

なぜ、商品先物取引業者がまず現物を買わせるかと言うと、商品先物取引法で禁止されている不招請勧誘禁止に該当しないようにするためです。すなわち、商品取引法上、商品先物業者は顧客からの委託がないのに先物取引の勧誘を行うことはできません。そこで、まず現物を買わせて、その後、現物取引の延長線上で商品先物取引の勧誘を行うことで、不招請勧誘禁止を潜脱することが可能となるのです。

しかしながら、そもそも金やプラチナ等の現物を購入する人は貯蓄に代わる安全な商品として購入しているケースが殆どであり、にもかかわらずハイリスクハイリターンの商品先物取引の勧誘を行う行為は、適合性原則違反等の他に違法事由に該当する可能性が高いと考えます。最近の判決例でも、まず現物を購入させて商品先物取引を勧誘している事例が多く見られます(平成25年9月12日福岡地裁小倉支部判決、平成26年1月29日神戸地裁判決など)。

大手商品先物取引業者のテレビコマーシャルでも、先物取引の勧誘ではなく、金の現物取引を勧めていますが、業者側は金の現物購入の後に金の先物取引を勧めてくることにご注意下さい。

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