「エクイティリンク債」とは、仕組債(発行体が発行する債券にデリバティブの仕組みを組み込んだ商品)の一種で、発行体が発行する債券に参照対象銘柄のプットオプションの売りを組み込んだ商品です。

通常、債券投資は、発行体のデフォルトリスクを引き受ける代わりに、年利1~2%程度の利息を受け取るが、エクイティリンク債の場合、プットオプションの売却に伴うオプション料が加算されるため、通常の債券に比べて高い利率が支払われます。

しかしながら発行体に売却したプットオプションの権利行使によって多額の損失が発生し、商品によっては元本が無価値化することもあります。

またエクイティリンク債にも、「プロテクション」(「保護」という意味)の内容によって優先劣後のランクがあり、最も劣後するエクイティリンク債の場合、ポートフォリオの毀損分を真っ先に負担させられ、ポートフォリオのごく一部の毀損によっても、元金全てが無価値化する危険があります。

さらに投資家が支払った金額の何倍もの金額を想定元本としてポートフォリオを構成した場合、レバレッジがかかっているため、実際のポートフォリオの毀損以上に損失が膨らむ危険があります。

このように金融工学を駆使して組成した複雑・難解な金融商品であり、かつ元金全額を失う危険性のあるハイリスク商品である以上、商品内容を理解し、適切なリスク管理を行えるだけのハイレベルな知識を有する機関投資家等の投資家でなければ取り組めない商品である。