民事訴訟において、銀行が主張してくる内容には、例えば、以下のように反論します。

主張1 原告は、為替リスクを負っており、為替リスクをヘッジするニーズがあった。

(再反論)
・輸入がない。
・輸入があっても円建て取引なので為替リスクがない。
・国内商社経由で為替リスクは自社が負担するものではない
・仕入価格の中に為替変動の影響を受けるのはごく一部である
・輸入金額を遥かに上回る金額の為替デリバティブ取引はヘッジ目的に合致しない。
・円高になった場合のハイリスクを負担してまで為替リスクをヘッジする必要はない。
・短期の為替予約で十分にヘッジ目的は達し得る
・原告がEU諸国から輸入しており、ヘッジすべき為替変動リスクは米ドル円ではなくユーロ円である。

(証拠)
・取引先会社からの請求書、契約書、預金通帳、仕入価格と為替チャートとの連動性など

主張2 社長に対するヒアリングで為替リスクをヘッジするニーズを十分に確認した。

(再反論)
・そのような事実はない

(証拠)
・稟議決済資料、適合性チェックシートなど

主張3 商品内容及びリスクは十分に説明した

(再反論)
・原告代表者はデリバティブ取引の知識、経験が全くない素人である。したがってデリバティブ取引の理解力、判断力は低い
・説明資料の内容が不十分である(有利性を強調している、中途解約の可否及び解約した場合の解約損害金の内容及び具体的な計算方法が不明確など)
・そもそも説明した担当者自身が為替デリバティブ取引を十分に理解していない
・オプション取引やスワップ取引といった基本的な概念の説明がない
・オプションの売りが危険の引き受けであり、その対価がオプション料であるといった説明が全くなかった

(証拠)
説明資料、証人尋問