ことの性質上、あっせん申立書に記載する内容は専門的なものになりますが、概略は以下の通りです。

1.請求の内容

申立人である中小企業が相手方である銀行に何を求めるのかを書きます。

具体的には、申立人が被った損害の賠償請求と、これから発生するであろう支払い金額の減免を求める内容になります。

2.請求の理由

取引に至る経緯や、取引後の経緯を記載します。
①相手方銀行と何時頃からどのような付合いがあったか、②為替デリバティブ取引を締結するに至った経緯を書きます。
①については、相手方銀行から融資を受けていたとすれば、為替デリバティブ取引との関係を記載します。また相手方銀行がメインバンクであれば、その旨も記載します。
②については、何時頃から、誰より、どのような話があったか、またどのような説明があったか、資料はあったか、あったとすればどのような物かを記載します。

為替デリバティブ取引を通じて中小企業が銀行から購入した外貨をどう利用していたかが重要です。中小企業が外貨のまま保有していたり、外貨を単に円貨に替えていただけであれば、為替リスクをヘッジするニーズがなかったことの証拠として使えます。また円高になって損失が発生するようになった後の銀行の対応も問題となります。

3.法的な主張

①契約の無効ないし不成立や、②適合性原則違反などを主張します。

制度上、申立書は本人が作ることもできますが、実際には、極めて専門的な内容ですので、弁護士に作成してもらうケースが殆どだと思います。