投資信託(ファンド)には、有価証券に投資する投資ファンドと、事業に投資する事業ファンド、商品に投資する商品ファンドがあるが、複数の投資家からの拠出金をまとめて特定の主体が運用するという仕組みは同じです。
これにより、本来的には、小口の資金をまとめて運用が出来る、専門家の運用力を利用できる、というメリットがあるが、一方で専門家と投資家の知識や情報のギャップから、運用主体への監視が及ばず、投資家の利益が犠牲にされる可能性がある。
近時、資産がある高齢者から、出資金を募って被害を追わせる例が急増しています。
また最近、不動産投資信託(いわゆる「リート」)に関して、顧客が集団で販売証券会社を提訴するという事例がありました。
この不動産投信は、仕組み上、運用会社が出資者からの支出金に加えて金融機関からの借入金で不動産運用の資金を賄っており、かつ不動産価格が下落すると、金融機関への払い戻しが優先されるため、真っ先に顧客が損失を被り、損失を被る場合もレバレッジがかかっているため、不動産価格の下落の数倍の損失を被るようになっており、被害が多数かつ多額に及んでいます。
そもそも投資信託は、販売手数料が比較的高く、乗り換え売買を行うと、金融機関に多額の販売手数料が入る構造となっているため、無意味な乗り換え売買が頻繁に繰り返されやすく、不正行為の温床になりやすいとい面があります。
この点を受けて、日本証券業協会も、乗り換え売買の際には手数料等について顧客に十分な説明を行うように規制を設けています。
(1)投資信託の取引で、乗り換え勧誘時には、乗り換えによる利害得失についての具体的な説明が必要であり、さらにナンピン買いを勧める場合は、リスク拡大につながることを十分に説明する必要があるとした上で、担当者主導の下に十分なリスク説明なく取引が行われたとして、説明義務
違反を認めた(大阪地裁平成19・12・25判決)
(2)投資信託の取引で、顧客にリスクを正しく認識させる説明に至ったいなかった、投資信託の乗り換えについて、合理性ないし必要性が乏しい取引である等として、説明義務違反、誠実公正義務違反を認めた
(横浜地裁平成21・3・25判決)